2015年9月19日、多くの市民の反対を押し切って、安全保障関連法が成立しました。そして2016年3月29日、同法は施行されました。
それからまだ1年が経ったばかりですが、戦争法とも呼ばれた「安全保障関連法」のもと、想像以上のスピードで戦争の足音が忍び寄っています。医療介護福祉に携わる私たちは、いのちと暮らしを脅かすこの法律に、渾身の思いで反対の声を上げ続けてきました。しかし、私たちの懸念を遙かに超えた事態が、現実のものとなりつつあります。もはや私たち諸先輩が守り続けた戦後ではなく、「戦争前夜である」という声が聞こえ始め、いつの間にか「もはや戦前ではなく、すでに戦時である」とまで言われ始めました。あの第二次世界大戦の時代から、戦後の70年あまりの歴史を、医療介護福祉の視点から、しっかりと見直し、今私たちは何をすべきなのか、何ができるのかを問い、語りあいたいと、1泊2日のイベントを企画しました。
1日目は、看護師として60年以上、日本の看護界を牽引してきた川嶋みどり先生に、敗戦後の全寮制と無権利状態から立ち上がって、通勤,結婚、育児とも両立させながら道を切り拓く契機になった医療統一闘争(病院スト)と、その周辺のエピソードをまじえて、戦争の問題も織り込め、「人間宣言-1人の看護師の闘いの軌跡と葛藤-」というテーマでお話しいただきます。
2日目は、兵庫県医師会名誉会長の川島龍一先生による、「昭和史にみる医療の変遷」をテーマにしての、戦後の歴史を示す貴重な動画を見ながらのご講演です。
1日目の懇親会の会場では、戦後の「売春禁止法」に基づいて創設された館山市にある「かにた婦人の村」の名誉村長である天羽道子さんのお話もいただきます。
2日目の午前中には、沖縄につぐ本土決戦の場となる可能性があった館山市に残された戦争遺跡を巡るツアーもあります。
どうぞ、ふるってご参加ください。

2017.5.20−21印刷用PDF
お花見&多磨全生園見学会を、当会とベグライテンの共催で企画しました。
見学会の後、映画「あん」の撮影場所となった「食事処なごみ」にて懇親会を
予定しています。そこで、「我が事、丸ごと」地域共生社会実現本部についての
お話を、小島美里さんより伺います。
11時半からのお花見からでも、13時半からの見学会からでも、16時半から懇親会からでもお時間の許す範囲で、どうぞ、ご参加ください。

最後は、衆議院議員の阿部知子さん、参議院議員の田村智子さんお二人に加わって頂き、住江憲勇さん、本田宏さん、沢田貴志さんと共に3つの質問についてお話いただきました。
1、医療財源の確保のための、消費税を含めた税制をどう考えるか。
2、TPP (TPPが廃止された場合のアメリカとの二国間貿易協定)と医療の問題について。
3、日本がこれから長期的視野で目指したい社会保障制度のヴィジョンはどのようなものか。
どうぞご覧ください。
12月23日、当会主催の連続企画第三弾「これからの医療を考える」を
開催いたしました。
住江憲勇さん、本田宏さんを講師にお迎えしてお話をお聞きしました。
当日の動画をアップしますので、どうぞご覧下さい。
下記は住江憲勇さんのお話です。
12月17日、千葉県鴨川市にて藤原るかさん(ホームヘルパー・共に介護を学び合い・励まし合いネットワーク主宰)を講師にお迎えし、いのちくらしカフェを開催しました。
るかさんの、介護を介して人に向き合う熱意がひしひし伝わって、心がほかほかするお話でした。介護保険も問題山積み、本当に何とかしなければ、それぞれの立場でしっかり声を届ける事が大事と思いました。そしてさまざまな国のヘルパーさんと出会うため、500円玉貯金をして、これまで世界14カ国を訪れた旅のお話も、とても興味深いものでした。

12月23日、当会主催の連続企画第三弾「これからの医療を考える」
本田宏さんのお話です。
どうぞご覧ください。
連続企画第三弾 憲法が危ない!医療保険も危ない!
「これからの医療を考える」と題しての講演会&討論会を
12/23 18時から開催します。どうぞ、皆様ご参加ください。

12/23チラシ印刷用
近藤さん、橋本さんの講演に続いて、指定発言者からのお話です。
鈴木伸さん(寿共同診療所医師)
五十嵐逸美さん(かにた婦人の村施設長)
星野陽子さん(医療法人健和会看護部長)
宇佐美宏さん(全国保険医団体連合会歯科代表)
渕上隆さん(弁護士・東京中央法律事務所)
以上5名の方からお話いただきました。

以下は、宇佐美宏さんの資料です。



以下は星野陽子さんのお話です。
わたくしは医療法人健和会の看護部長をしています星野と申します。
私は戦争が健康を破壊する最悪の社会的要因であることから、命を守る現場で働く看護師の立場から戦争に反対する視点で発言させていただきたいと思います。
今年は憲法が公布され70年目を迎えました。7月に行われた参議院選挙では、改憲派が3分の2を超える結果となり、安倍首相は改憲に意欲を示しています。先日川嶋先生や南 弘子先生たち看護の有識者たちが看護未来塾を旗揚げしました。その設立趣意書に私は感動し入会しました。そこには次のように書かれていました。「私たちは、人々のいのちと暮らしに寄り添う看護専門職有志の集まりです。
今この国で起こっている様々な出来事、たとえば、言論の自由を制限し戦争を可能にしうる特定秘密保護法や安全保障関連法の制定など、平和や安全を脅かすような政策の流れに対して強い危機感を持って集まりました。そして、個々の事象をしっかりと見据え、声を上げ、行動していくために「看護未来塾」を設立することにしました。 「看護未来塾」設立の背景には次のような危機感があります。
第一に、戦後70年を経て、過去の戦争体験が風化しつつある中、平和のよりどころとなる憲法を変え、表現・言論の自由を制限し、軍事偏重の政策、軍事/防衛研究の拡大に向かってしまうのではないかという危機感です。あの戦争では、多くの先輩看護職者が人間の尊厳を否定する戦争の不条理さに直面し、悲惨な数々の体験をしました。今を生きる看護職者は、その歴史の教訓をもとに平和と基本的人権と健康を守るために行動しなくてはいけません。」川嶋先生の働きかけも大きかったと思いますが、肩書を外した有識者の先生たちが縦横無尽に率直に発言した中身に 今立ち上がるとき・・そう強く思われたのだと感じました。
この間政府は、国民の反対を押し切って強行採決した安全法制関連二法を施行に移し、内戦の続いている南スーダンに、PKOの部隊として駆けつけ警護という新たな任務を担わせ、派遣しようとしています。9月21日に防衛省が、有事の際最前線で負傷した自衛隊員の救命率を向上させるため、医師免許がない隊員にも一部の医療行為を可能にし、専門教育を受けた隊員を「第一線救護衛生員」として、部隊に配置することを発表しました。
その医療行為とは、気道の確保のための気管切開。緊張性気胸に対する胸腔穿刺。出血性ショックに対する骨髄などへの輸液投与。痛みを緩和するための鎮痛剤投与。感染症予防のための抗生剤投与です。この5つの医療行為を救急救命士と准看護師に行わせることを想定しています。
10月11日稲田防衛大臣は、南スーダンのPKO活動について「仮に駆けつけ警護の任務を負わせる場合、専門的な教育を受けた衛生要員が救急車に同乗し応急処置を行う」と答弁し、戦闘ありきの発言がありました。本当に恐ろしいことだと思います。
私たち看護・介護現場で働くものは、日々命と向き合い、命の重さを知っています。命を最も軽く扱う行為が戦争です。かつて従軍看護師として3度戦場に行った花田ミキさん(享年91歳)は遺言で「人と人が殺し合う戦争の愚かさとむなしさを骨の髄まで知っています。」と書き「戦争をしないために、巻き込まれないために盾として、平和憲法の第9条を守ってくださるように心から祈ります」と訴えていました。
今、日赤の看護学校の学生たちは富士演習場等での銃撃訓練の見学、演習等にピクニック気分で参加するそうです。川嶋先生はいつも私たちに次のように語ります。「戦争はすべての人から希望や夢を捨てさせ、生きていく権利を強制的に奪い、殺人を合法化する。看護と戦争は相いれない。私は「戦争反対」を信念とし、教え子に教えてきた。政府が再び同じ道に国民を引きずりこもうとしている今、「戦争は絶対だめと訴え続けていきたい。」先生はこのように訴え続けています。
「歴史の真実に学び2度と戦争を起こしてはいけない」という看護の先輩たちのメッセージを将来にわたって語り継ぐこと、看護師を再び戦場に送らないことが今を生きる私たちの務めだと私も確信しています。
2016.11.26「健康格差社会にどう向き合うか」
続いては、橋本英樹さんによる「健康問題に取り組む上でなぜ政治が大切か」と
題した講演です。