2020.3.10「新型インフルエンザ等対策特別措置法」 改正に反対する緊急声明

「新型インフルエンザ等対策特別措置法」 改正に反対する緊急声明

2019年12月に中国の湖北省武漢市で最初の症例が確認された新型コロナウイルスの流行が、世界に広がり、2020年1月31日にWHOから「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」が宣言され、世界各地でも緊急事態宣言が出されるようになった。

そうしたなか安倍政権は、2月26日に、多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等について、中止、延期又は規模縮小等の対応を要請。続いて2月28日には、突然の小中高校、特別支援学校に対する一律の休校を要請した。それは、2012年5月に成立した 「新型インフルエンザ等対策特別措置法」 第32条に規定された国民生活の制限をする緊急事態宣言に準ずるものであった。

その後になって政府は、同法に2年を限度に新型コロナウイルスを対象に加える改正案を準備。3月10日に閣議決定し国会に提出した。13日の成立、14日に施行をめざしている。同法には、緊急事態宣言の発動や解除や期間の延長の際に、国会の事前承認はおろか事後承認も必要とされておらず、内閣総理大臣はそれを国会に報告するだけでよいとされ、また確実な経済的損失の補填を政府に義務づける規定がない。

これまで安倍政権は、大規模イベントの開催自粛要請、それに続く全国の小中高校、特別支援学校に対する一律の休校要請、さらに中国と韓国からの入国制限などを、いずれも専門家会議の議論等踏まえず、十分な根拠の説明もないまま唐突に発動してきた。根拠も薄弱なまま、十分な準備のないまま為された要請は、新型コロナウイルスの感染予防に効力をもたらすどころか、かえって医療・介護・福祉の現場に無用の混乱をもたらしている。措置法改正以前に、現実的かつ確実な対策を講じることが先決である。

人のいのちを守り支えることが第一の責務であると考える私たち医療・介護・福祉関係者の会は、新型コロナウイルスがパンデミックの様相を呈しつつある現在が、緊急事態であると深く憂慮しているが、さらなる強権の発動によって制限される自由と人権が、いのちと暮らしを脅かすことを懸念し、安倍政権による 「新型インフルエンザ等対策特別措置法」 改正に、強く反対する。

2020年3月10日

「いのちと暮らしを脅かす安全保障関連法に反対する医療・介護・福祉関係者の会」 共同代表
天羽道子(かにた婦人の村 名誉村長)
伊藤真美(花の谷クリニック 院長)
川島みどり(日本赤十字看護大学名誉教授)
小島美里(NPO法人暮らしネット・えん 代表)
沢田貴志(港町診療所 所長)
高岡直子(大田病院 在宅医療課医長)
本田宏(外科医・NPO法人医療制度研究会 副理事長)