学びの広場

1)安保関連法案とは
安保関連法案とは既存の10の法(自衛隊法、PKO法、重要影響事態法、船舶検査活動法、武力攻撃事態対処法、米軍等行動関連措置法、特定公共施設利用法、海上輸送規制法、捕虜取り扱い法、国家安全保障会議設置法)改正と、1つの新法(国際平和支援法)を示します。これを一括で審議、成立を目指しています。

2)海外で自衛隊が米軍とともに敵国を攻撃できるようになる
・重要影響事態法 現行では「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」→改正で「我が国周辺」を削除。これにより自衛隊が世界中どこでも出動できるようになる。

・武力攻撃事態法 現行では自衛隊が直接攻撃を受けた場合のみ反撃を行える。→「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態(存立危機事態)」を追加。→ 密接な関係にある他国(≒アメリカ)が攻撃を受ければ自衛隊から敵国を自発的に攻撃できる。

 以上の2つの改正により、世界中どこにでもアメリカ軍についていって、事実上(当然、アメリカ軍に対する攻撃はあるので)同盟軍として積極的に敵国を攻撃できるようになります。
PKO法と国際平和支援法

・「かけつけ警護」

 国際平和維持活動において従来は自衛隊に対して直接攻撃があった場合しか反撃できなかった。他国は日本がこれに対して警護を行うことができるが、他国の警護にはあたれない。→ これが「あまりにも不公平」とのことで、
同法26条によって可能になったそうです。条文読んでもよくわかりません。

・国際平和支援法

 国連の決議によって多国籍軍が組織されるときにこの後方支援を行うことについて規定した法律です。一応「現に戦闘行為が行われている現場では実施しない」となっていますが、複雑な状況にある現場では厳密に非戦闘地域を定義することはできません。多国籍軍が攻撃されれば、それに巻き込まれて反撃することになったり、あるいは上記の武力攻撃事態法によって、より積極的に攻撃に参加することになる可能性もあります。従来は憲法第9条が強力な歯止めとなっていましたが、それもなくなるわけです。
国際貢献のために国連決議により多国籍軍を組織するといっても、実はこれが中立的な立場でなされるわけではありません。イラク戦争がよい例です。はっきりと決議がなされないうちに米英豪はイラクに対する攻撃に踏み切っており、独仏はこれに反対していました。
次に同じようなアメリカ主導の戦争があれば英や豪と同じような立場で戦争に参加することになるのは容易に予想されます。そうなれば少なからぬ自衛隊員が必ず戦死することになり、その地域がイスラムであれば現在にような日本に対する友好は失われ、フランスやイギリスのようにテロの標的にされることでしょう。しかし、戦前のように日本が単独で領域外に進出して外国を攻撃することはできません。安保関連法案とは米国が同盟軍として自衛隊を利用しやすくする法律と思えます。自衛隊のOBの方々が的確に批判しているのも頷けます。

 以上は、「そもそも「安保関連法案」とは? 集団的自衛権をどう規定(平和外交研究所 美根慶樹氏)」の記事を要約したものです。

平和外交研究所 http://heiwagaikou-kenkyusho.jp
当会の呼びかけ人の一人である高木恒太朗さんのブログより抜粋
http://blog.livedoor.jp/bakusei/